いぬの看板<特別編・その28>
(N暗K太・著『犬のかんヴぁん』 Voyage of my dog sign ~埼玉県東部地域編~より)
■エピローグ
「今日は観光ですか?」
朝の受付時に、利用票の目的欄に記入をし忘れていたようだ。
「観光というか、まぁ…」
「市内ですか?」
「白岡市とその周りを…」
「寺院とか?」
「犬…犬の看板を写真に…犬のフンを持ち帰りましょうって看板を集めていまして…」
係の男性は感心したように頷いた。「そういうお仕事で?」
仕事ですと言いかけて「趣味です」と正直に答えた。
「マンホールとか集めている人居ますよね」
その察しのよさに気を許し、今日一日の記録にまとめること、その記録を友人に送る遊びをしていること、全てを正直に伝えた。係の男性は、また感心したように何度も頷きながら、代わりにペンを持って目的欄に記載してくれた。
今回の探訪では、多くの公園を巡ったことが、自身のライフスタイルにとって収穫だ。ここは水遊びが禁止されておらず水が流れているな、ここは船型遊具があり楽しそうだな、BBQ場と遊び場が近くていいな、次は子供たちを連れてそれぞれの公園を訪れたいと思った。
犬看板は、予定した市町村全て+αで写真に収めることができた。ポケット旅行記の移動履歴を眺める。一本隣の道を走っていたら、別な犬看板たちに出会えたのだろうか。移動距離は、約70.1キロ。
さぁ、明日は仕事だ。日常に戻ろう。
■ポケット旅行記
公開URL https://travelboard.sakura.ne.jp/map.php?id=22596
■オリジナル犬看板
今回訪れた市町村の中から、オリジナル犬看板を描いてみようと考えていた。どこが良いか思案して、伊奈町と決めた。最後は、イラストでお別れしたい。