いぬの看板<特別編・その26>
(N暗K太・著『犬のかんヴぁん』 Voyage of my dog sign ~埼玉県東部地域編~より)
■杉戸町
充電が残り5%を切った。旅の旅程を記録するポケット旅行記のアプリを起動している影響で減りも早い。モバイルバッテリーは故障中で持参していない。空腹感も限界を超えそうだ。
Googleマップを開き、次の目的地、幸手市方面でファーストフード店を検索。マクドナルドがヒットした。大落古利根川と並走する。犬看板の気配がないので一本中へ。
住宅街に入り【杉戸犬】と邂逅。ザ・オリジナル感に興奮。勇ましい。【幸手保健所管内狂犬病予防連絡協議会(2匹目)】の犬看板も発見。
電池が無くなる前にお店へ向かう。空腹で注意力が散漫になっている。幸手市の犬看板は後から探そう。風景にほとんど目もくれずマクドナルド4号線幸手店へ向かった。
■幸手市
最近、子供たちがハッピーセットを欲しがるのでマクドナルドを利用する機会が多い。コンセントのある席で、スマートフォンの充電も当たり前の感覚としてあり、申し訳なさもない。
ここまで順調過ぎるペースで来ている。休憩は一時間とっても問題ないだろう。しかし、なかなかバッテリーがたまらない。ポケット旅行記のアプリを終了し、スマートフォンの電源も落とした。結局一時間三十分程滞在し、バッテリーも90%表示を確認。体力も回復した。
幸手市は、今回の探訪で一番探したかもしれない。住宅がある道を小刻みに曲がり、確認する。気配はするのになかなかお目にかかれない。宮代町と杉戸町で幸手保健所の犬看板を見つけてはいたが、やはり幸手市のオリジナル犬を見てみたい。民家のコンクリート壁に、今にも消え入りそうな【幸手犬】を発見(冊子に印刷すると完全に消えている)。
このシルエットは、宮代町で見かけた犬と同じだろう。その後も、道をくねくねと進み探索するも、これ以上は見つからなかった。