いぬの看板

あの町角を曲がれば

いぬの看板<特別編・その21>

いぬの看板<特別編・その21>

(N暗K太・著『犬のかんヴぁん』 Voyage of my dog sign  ~埼玉県東部地域編~より)

 

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白岡市

空は一面雲で覆われている。 連日三十度を超える日が続いていたが、この日は比較的気温が低く、時折ふく風も軽い。清涼さを感じる。探訪日和。JR宇都宮線のボックス席で揺られていると旅感アップ。

白岡駅に着いた。駅ホームから見える榧の木を横目に通り過ぎる。榧の木に括り付けられた白のプラカードには、樹齢100年以上と書いてある。そそくさと改札を出て、白岡市観光協会を目指した。

通り過ぎたスーパーは開店準備をしていた。【水と緑の里・白岡 白岡市観光協会】の看板に描かれている、特産品の梨を擬人化させたキャラが可愛い。

 

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利用票に氏名・住所・連絡先を記入し、窓口の女性に返す。別の男性がブレーキやタイヤの空気を確認してくれていた。高ぶる気持ち。犬看板探訪で、毎回感じることは、一つ目の看板を見つけるまでの緊張、見つけた後の安堵だ。早めに一枚目を見つけられると気持ちが違う。

出発前にトイレを済ませ、窓口に戻ると、「準備してありますので」と声をかけられた。自転車を玄関前まで移動してくれていた。係の男性にお礼を言い、今日の【相棒(ママチャリ)】を写真におさめる。主題とは関係がないが、探訪記で旅感を出すために、今回はこういうものも撮っておこうと決めていた。

 

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さて、出発だ。観光協会から一度北上し、白岡中学校を目指しながら最寄りの公園も探索する、ぐるりと一周するが犬看板は見当たらない。白岡中学校周辺の道端には、オレンジ色のキバナコスモスが生い茂っている。根本を見ると、一株で多くの花を咲かせていることが確認できる。どうせ白岡市へ戻ってくるので、帰路の途中か、これから向かう伊那町への途中で見つければ良いと思いつつも、まだ犬看板を一枚も見つけられていない現状に、気持ちは落ち着かない。

用水路と並行してはしる整備されたウォーキング&サイクリング・水と緑のふれあいロードを見つけ、ビビビっ!直感的にその道へ入る。しばらく進むとビンゴ!あるじゃないか犬看板。【イラストの違う看板が二つ】並んでいる。市制施行される前の、町バージョンだ。

 

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白岡犬、ん〜愛おしく感じる。重圧から解放され、気分が上がってきた。さて、行きますか次。ほんの数分前まで焦りと不安で一杯だったのに、全身に自信がみなぎる。意気揚々と伊奈町方面へ、足取りも軽い。

前方にコンクリートの鳥居が見えてきた。石碑には【白岡 八幡神社】と刻まれている。車道にそびえる鳥居をくぐると、石造りのカエル像がみえた。せっかくだから参拝することにした。カエル像は、交通安全祈願をする石像だった。カエル像の下、石造りの台座には【無事かえる】と刻まれている。今日一日の交通安全と犬看板たちの出会いを、両手を合わせ祈願した。

 

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神社近くの八幡公園で、前回、新潟県弥彦村で遭遇した犬看板と遭遇した。弥彦村の犬看板は色あせ、生気が抜けた印象だったが、【白岡市(旧白岡町)の看板】はカラフル、文言・マナーを守って楽しい散歩、そのままに楽しげで、禁止とか迷惑とか、強い言葉を使わない感じが自分好みだ。飼い主とワンチャンとの信頼関係を感じさせる色合いが素晴らしい。

 

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<特別編・その22>に続く