いぬの看板

あの町角を曲がれば

いぬの看板<特別編・その18>

いぬの看板<特別編・その18/プロローグ>

 

人生は地獄だ。

望んでもないのに生まれ、望んでもいないのに死ぬ。

この世に生まれてしまったが最後、読み書きやおじぎの仕方を先人に教わり、労働し、金をかせぎ、食べて寝ないと日々を維持できないし、不用意に誰かを愛して苦しんだり、浮かれたりする。

心は消耗し、肉体は確実に衰えていく。

頭の中は常に心配事と妄想に支配されている。

そんな私をどうでもいいような疑問が襲っていた。

 

 三度目の仏に会った人はいるのだろうか?

たとえば二度も借金を踏み倒した人間にもう一度金を貸してくれるような、そんな殊勝な人物。

もしくは、二度あることが三度あったことは本当にあるのだろうか?

たとえば二度離婚したふたりが再再婚して添い遂げたケースはあるのだろうか?

 

およそ二年半前に立ちあげたこの「いぬの看板」ブログ。その私のもとに犬の看板報告書といった類の郵便物が届いたことがいままで二度あった。

それは以下の二つのレポートであり、私はその内容を評価し、このブログにアップした。

 

『ある探訪記のための習作』

jet-shirei.hatenadiary.jp

 

Voyage of my dog sigh <弥彦線越後線編>

jet-shirei.hatenadiary.jp

 

私は安い酒を飲んで暴れたり、大きな犬にときめいたり、味のないガムを噛み続けながら、心のどこかでいつもその「三度目」を待っていたような気がする。

某日、郵便受けに青い封筒を見つけた時の私をどこかのカメラがもしとらえていたなら、私の拙いダンスの映像が残っているだろう。

それは紛れもないよろこびの踊りであった。

 

私の予想は当たった。これが「三度目」だ。

封筒から取り出したその冊子は手作りながら非常に完成度の高い代物だった。

 

<おもて>

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<うら>

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私は急ぎ一読した。今回も非常に力の入った報告だ。発表に値すると判断した。

そのため、いつもは犬の看板と市区町村名だけをアップしている当ブログではあるが、何回かに渡り、N暗K太(※個人情報保護のため一部伏字)・著『犬のかんヴぁん』 Voyage of my dog sign  ~埼玉県東部地域編~のすべてを随時アップしていくことにする。

 

<特別編・その19>に続く